2020-04-12 22:00:16
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コメント(14)
どうも。天理です。アマビエをアマビコの誤記だと突き止めたのは湯本豪一さんでしたか。好きなんですよ、明治妖怪新聞。新聞記事ってのがいいですよね~。楽しい~。
アマエビです。アマビエじゃないですよ。
最近アマビエばかりが注目されていますが、疫病除けといえばクダンなんですよ。
クダンってのは何かっていうと、天保七(1836)年の瓦版に登場し、「豊作の前に現れるめでたい獣で、クダンの絵を貼っておけば、災いを逃れる」みたいな文章とともにクダンの絵姿が描かれています。つまり、その瓦版を買って家に貼っておけば家内繁昌・無病息災・豊年祈願になるという仕組み。
慶応三(1867)年になるともっと露骨で、クダンが現れ疫病の流行を予言したとして「この瓦版を買って厄除けにしてほしい」と売り込んでいます。霊感商法ですね。マッチポンプです。
ところが調べてみると初登場の瓦版から遡ること約十年、文政十(1827)年に「クダベ」と名乗る人面の珍獣との接近遭遇が報告されていて「今後数年疫病が流行するが、自分の姿を描き写した絵を見た者は難を逃れる」旨の発言をしたっていうんですね。
実にぬらりひょんとした妖怪です。飢饉の時期に歓迎すべき珍獣として登場し、それが後にマッチポンプ式の霊感商法へと発展したものと私は考えたのですが、もっと古いクダベが疫病の蔓延を予言しているのです。すでにして完成形。面白~い。
なんで長々とクダンの話をしてるかっていうと、私は過去に、落語黎明期、江戸落語が上方落語に後れを取った理由をクダンのシステムに見出した随筆を書いたことがありまして。似てるんだ。クダンとそっくりのマッチポンプ式霊感商法の所為で江戸落語の祖は身柄を拘束されるのです。まぁ、ほとんど関係ない事案での巻き込まれ事故だったのですが。とにかく始祖を失い役人にも目をつけられたことで江戸落語は黎明期にいきなり凋落してるんです。この話を始めると長いんですが、需要ありますかね。
お寿司。甘エビに玉子とかっぱ巻き。あんまり高級じゃない。
長々と失礼。終わります。天理でした。
私は小説家になろうとみてみんの往復くらいしかネットを見ないので、アマビエの大出世もさのみ実感していないのですが、かつて日本鬼子って言葉も美少女キャラになったことがあったとかで、日本文化のある種の懐の深さなんでしょうね。敬いたい。その意気でアマエビも許して。
人生で初めて買ったCDが談志の「芝浜/源平盛衰記」でした。落語を聴かせてくれるような粋な親じゃなかったから、中学生の時分にファイル共有ソフト(色々と法整備されましたね)でダウンロードしてコレクションしてました。衝撃でしたね。妖怪、落語、ブルーハーツ、安部公房と、その後の私の生き方を決めた出会いは14歳前後に集中していたのですね。14歳、忘れもしない、私が社会を決定的に敵視するようになった事件のあった年……(それこそ需要がない)。